<日本と中国の民間文化交流業務>

当社は、日中民間文化交流を積極的に行っています。今回、中国における京劇人物画に造詣が深い李文培画伯の作品を日本へ紹介し、中国絵画の素晴らしさにふれて頂きたいと思っています。そして、両国の文化交流がよりいっそう深まる事によって、相互理解につながって行くものと信じています。

李文培画伯の紹介

●京劇人物画の極意

――李文培画伯の京劇人物画芸術

中国と日本は「同文同種」といわれるように、似たような文化が多いのだ。中国では笑い芸は「相声」に対して日本では「漫才」がある。そして日本では「歌舞伎」にたいして中国は「京劇」がある。中国の「京劇」の影響を受けて、日本人も「歌舞伎」を創出したという説があります。

「京劇」と「歌舞伎」との共通点は舞台上人物の面影を鮮明に表すため、同じく強調的厚化粧と強調的演出程式によって、観客に強いイメージを与える。比較して見れば、中国の「京劇」の顔像(“臉譜”と言う)はもっと強調される伝統がある。

李文培画伯が京劇画の達人と好評される訳がある。一つは画家として幼い頃より堅実な教育と訓練を受けた上、写意画と大写意の真髄を理解し、追求を続けてきた“形神兼備”の境地に到達したこと。二つは長い年月にわたって京劇団にて舞台美術の仕事に従事し、京劇の内容、定式を詳しく了承するのみならず、自らも京劇の俳優並みの演技と劇唱を得意としている。その二面の「プロ」的理解力と表現力によって、京劇の舞台人物の役の内面(性格など)と表面(“臉譜”など)の特徴を掴み、洗練した筆と墨と色の最高の演出で生き生きとした表現が出来ている。

写意画の特徴は省略すべき部分は略に、強調すべき部分は大胆に運筆用墨。これまでの人物画では、顔と手は強調描写のポイントでありますが、李文培画伯の京劇人物画はそれを簡略にし、全身のポーズを力強く“骨太”運筆を用いて、全身全霊で描きあげられている。描かれた人物のその勢いは、見る人に力強い印象を与える事になるでしょう。